シャンプーは毎日必要?洗いすぎが頭皮トラブルを招くことも?
「頭皮の健康のためには、毎日シャンプーして清潔に保つべき」
一般的にこのように考えられていますが、一方で「シャンプーのしすぎは、かえって頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥やトラブルの原因になる」という話も聞かれます。
実際のところ、シャンプーはどのくらいの頻度で行うのが適切なのでしょうか?
毎日洗わないと不潔な気がするけれど、洗いすぎも良くない…と悩んでいる方もいるかもしれません。
このコラムでは、シャンプーの適切な頻度について、頭皮タイプやライフスタイルとの関係も踏まえながら解説します。
シャンプーの役割とは?
シャンプーの主な目的は、頭皮や髪に付着した「汚れ」を洗い流し、清潔な状態に保つことです。
この「汚れ」には、以下のようなものが含まれます。
- 皮脂:頭皮から分泌される天然の油分。適度な量は頭皮を保護しますが、過剰になると毛穴詰まりや臭い、雑菌繁殖の原因になります。
- 汗:体温調節のために分泌されますが、放置すると雑菌の栄養源になります。
- ホコリ、花粉、排気ガスなど:外部から付着する汚れ。
- 古い角質:頭皮のターンオーバーによって剥がれ落ちた角質。
- スタイリング剤:ワックスやスプレーなどの残り。
これらの汚れを適切に除去しないと、頭皮環境が悪化し、かゆみ、フケ、臭い、炎症、さらには抜け毛などのトラブルにつながる可能性があります。
「毎日シャンプー」が基本とされる理由
現代の生活環境や日本人の体質を考えると、基本的には「毎日シャンプーする」ことが推奨される場合が多いです。
その理由は以下の通りです。
- 皮脂分泌:頭皮は、顔のTゾーンなどと並んで皮脂腺が多く、皮脂分泌が活発な部位です。1日経つと、分泌された皮脂が酸化したり、ホコリなどと混ざったりして、汚れとなります。
- 外部環境:排気ガスや花粉、PM2.5など、目に見えない汚れが髪や頭皮に付着しやすい環境にあります。
- スタイリング剤の使用:ワックスやスプレーなどのスタイリング剤を使用している場合、その日のうちに洗い流さないと、毛穴詰まりや頭皮への負担になります。
- 衛生観念:日本の気候や文化的な背景から、毎日入浴し、その際に洗髪することが一般的であり、衛生的とされています。
特に、皮脂分泌が多い脂性肌の方、汗をかきやすい方、スタイリング剤を毎日使う方、屋外での活動が多い方などは、毎日シャンプーして頭皮をリセットすることが望ましいでしょう。
「洗いすぎ」によるデメリットとは?
一方で、「洗いすぎ」が問題となるケースもあります。
洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシと洗いすぎたり、1日に何度もシャンプーしたりすると、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 皮脂の取りすぎ:頭皮を守るために必要な皮脂膜まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥しやすくなります。乾燥は、かゆみやフケ、バリア機能の低下を招きます。
- 皮脂の過剰分泌:皮脂を取りすぎることで、体が「皮脂が足りない」と判断し、かえって皮脂分泌を過剰にしてしまうことがあります。これにより、頭皮がベタつく、臭いが気になる、といった悪循環に陥ることも。
- 頭皮への物理的刺激:シャンプー時の摩擦が、頭皮への負担となることもあります。
特に、乾燥肌や敏感肌の方、皮脂分泌が比較的少ない方は、毎日洗浄力の強いシャンプーで洗うことで、頭皮トラブルを引き起こしやすくなる可能性があります。
適切なシャンプー頻度の考え方
では、結局どのくらいの頻度が良いのでしょうか?
残念ながら、「全ての人にとってこれが正解」という頻度はありません。
以下の要素を考慮して、自分に合った頻度を見つけることが大切です。
- 頭皮タイプ:脂性肌か、乾燥肌か、敏感肌か。
- 髪質:太いか、細いか。
- ライフスタイル:汗をかく量、スタイリング剤の使用有無、活動環境など。
- 季節:夏は汗や皮脂が増え、冬は乾燥しやすくなる。
- 使用するシャンプー:洗浄力の強さ。
基本は「1日1回」を目安としつつ、自分の頭皮の状態をよく観察しましょう。
「毎日洗わないとベタつく、かゆい」と感じるなら毎日洗うべきですし、「毎日洗うと乾燥する、フケが出る」と感じるなら、洗浄力のマイルドなシャンプーに変える、シャンプーを使わない「湯シャン」の日を設ける(ただし汚れ落ちには限界がある)、あるいは2日に1回にする、といった調整を検討しても良いかもしれません。
ただし、数日洗わないのは、衛生面からあまり推奨できません。
まとめ:自分の頭皮と相談しながら調整を
シャンプーの頻度は、基本的には「毎日1回」が推奨されますが、それが全ての人にとって最適とは限りません。
洗いすぎによる乾燥や皮脂の過剰分泌も問題となるため、自分の頭皮タイプや状態、ライフスタイルに合わせて調整することが重要です。
洗浄力のマイルドなシャンプーを選び、正しい方法で洗うことも大切です。
頭皮の状態をよく観察し、「洗いすぎず、汚れたままにせず」のバランスを見つけることが、健やかな頭皮環境を保つ鍵となります。