カラー・パーマは薄毛を招く?おしゃれとヘアケアの両立
ヘアカラーで髪色を変えたり、パーマでスタイルを楽しんだりすることは、おしゃれの醍醐味の一つですよね。
しかし、これらの施術が髪や頭皮にダメージを与えることは、多くの方がご存知の通りです。
「カラーやパーマを繰り返していると、将来薄毛になるのでは…」と心配している方もいるのではないでしょうか。
実際のところ、ヘアカラーやパーマは、どの程度薄毛のリスクに関係しているのでしょうか?
このコラムでは、カラー・パーマが髪と頭皮に与える影響と、おしゃれを楽しみながら薄毛のリスクを抑えるためのポイントについて解説します。
カラー・パーマが髪と頭皮に与えるダメージ
ヘアカラーやパーマの薬剤には、髪や頭皮に影響を与える成分が含まれています。
- アルカリ剤:多くのヘアカラー剤やパーマ液に含まれ、髪の表面のキューティクルを開かせる役割があります。これにより薬剤が髪内部に浸透しやすくなりますが、同時に髪の保護層であるキューティクルが傷つき、内部のタンパク質や水分が流出しやすくなります。また、頭皮にとっては刺激となり、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。
- 酸化染料(カラー剤):髪内部で化学反応を起こして発色させる成分で、アレルギー反応(かぶれ)の原因となることがあります(ジアミン系染料など)。
- 還元剤・酸化剤(パーマ液):髪内部のタンパク質の結合を切断し(還元剤)、再結合させる(酸化剤)ことでウェーブを形成します。この過程で髪に負担がかかります。
これらの薬剤によるダメージが蓄積すると、髪はパサつき、枝毛や切れ毛が増え、細く弱い髪になってしまう可能性があります。
また、頭皮に炎症が起きたり、毛穴が薬剤で詰まったりすると、健康な髪の成長が妨げられ、抜け毛が増える原因にもなり得ます。
カラー・パーマは「直接的な薄毛の原因」ではないが…
前述のように、カラーやパーマは髪と頭皮にダメージを与え、抜け毛を増やす要因にはなり得ます。
しかし、これらの施術が、AGA(男性型脱毛症)のような、ホルモンや遺伝が関わる進行性の薄毛の「直接的な原因」となるわけではありません。
カラーやパーマをやめたからといって、AGAの進行が止まるわけではないのです。
ただし、すでにAGAなどで薄毛が進行している人が、頻繁に強い薬剤を使った施術を受けると、頭皮環境が悪化し、薄毛の進行を助長してしまう可能性は考えられます。
また、薬剤によるダメージで髪が細くなったり切れやすくなったりすることで、見た目上の薄毛感が強調されることもあります。
おしゃれとヘアケアを両立させるためのポイント
髪へのダメージを完全にゼロにすることは難しいですが、以下の点を心がけることで、リスクを最小限に抑えながらおしゃれを楽しむことは可能です。
- 施術の頻度を空ける:髪や頭皮が回復する期間を設けることが大切です。カラーやパーマの頻度をできるだけ空けましょう(例:カラーはリタッチを中心にする、パーマは緩めにかけるなど)。
- 頭皮に優しい薬剤・施術を選ぶ:美容師さんに相談し、刺激の少ない薬剤を選んでもらったり、頭皮に薬剤をつけないように塗布してもらったり(ゼロテクなど)するのも良い方法です。ヘアマニキュアやヘナ、カラートリートメントなど、ダメージの少ない方法を選ぶのも選択肢です。
- 信頼できる美容師さんに相談する:髪や頭皮の状態をよく理解してくれる、経験豊富な美容師さんに担当してもらうことが重要です。ダメージの状態に合わせて、施術の可否や適切な方法を提案してもらいましょう。
- ホームケアを徹底する:施術後は特に、髪と頭皮のケアが重要です。ダメージケア用のシャンプー・トリートメントを使用し、保湿を心がけましょう。洗い流さないトリートメントやヘアオイルも効果的です。
- 体調の良い時に施術を受ける:頭皮が敏感になっている時(生理前後、寝不足、体調不良時など)は、刺激を感じやすくなるため、施術を避けるのが賢明です。
- パッチテストを行う:特に初めてのカラー剤を使用する場合や、アレルギーが心配な方は、事前にパッチテストを行いましょう。
セルフカラー・パーマは特に注意
自宅でセルフカラーやセルフパーマを行う場合は、薬剤の選定や塗布技術、放置時間などが自己判断となるため、美容院での施術よりもダメージリスクが高まる傾向があります。
説明書をよく読み、用法・用量を守り、換気を十分に行うなど、細心の注意が必要です。不安な場合は、プロに任せるのが最も安全です。
まとめ:ダメージを理解し、賢く付き合う
ヘアカラーやパーマは、髪や頭皮にダメージを与える可能性があり、抜け毛の一因にはなり得ますが、AGAのような薄毛の直接的な原因ではありません。
ダメージを最小限に抑えるための工夫(頻度、薬剤、ホームケアなど)を意識すれば、おしゃれとヘアケアを両立させることは可能です。
自分の髪と頭皮の状態をよく観察し、無理のない範囲で、信頼できるプロの力も借りながら、ヘアスタイルを楽しみましょう。