ドライヤーの熱は敵?味方?髪を傷めない正しい乾かし方
「ドライヤーの熱は髪を傷めるから、自然乾燥の方が良い」という話を聞いたことはありませんか?
一方で、「濡れたまま寝るのは頭皮に悪い」とも言われます。
毎日のヘアドライ、ドライヤーを使うべきか、使わないべきか、そして使うならどう使えば良いのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、ドライヤーの熱は使い方を間違えると髪のダメージにつながりますが、正しく使えば髪と頭皮の健康を守る強い味方になります。
このコラムでは、ドライヤーの必要性と、髪を傷めずに美しく乾かすための正しい使い方について解説します。
なぜドライヤーが必要なのか?自然乾燥のリスク
髪が濡れた状態は、非常にデリケートでダメージを受けやすい状態です。
髪の表面を覆っているキューティクルは、濡れると開いた状態になります。
この開いたキューティクルは、わずかな摩擦でも剥がれたり傷ついたりしやすく、髪内部の水分やタンパク質が流出し、パサつきや枝毛の原因となります。
自然乾燥で長時間濡れたままにしておくと、この無防備な状態が続くことになります。
さらに、濡れた頭皮は雑菌が繁殖しやすい環境です。
雑菌が増えると、フケやかゆみ、臭い、さらには抜け毛の原因となる可能性もあります。
したがって、「自然乾燥=髪に優しい」とは一概には言えません。
ドライヤーの熱ダメージとその対策
ドライヤーが必要とはいえ、その「熱」が髪にダメージを与える可能性があるのも事実です。
髪の主成分であるタンパク質は熱に弱く、高温にさらされ続けると変性し、硬くなったり、もろくなったりします(熱変性)。
これが、ドライヤーによるダメージの主な原因です。
しかし、この熱ダメージは、ドライヤーの使い方を工夫することで最小限に抑えることができます。
ポイントは、「温度」と「時間」、「距離」です。
髪を傷めない正しいドライヤーの使い方
以下の手順で、髪と頭皮に優しく、かつ効率的に乾かしましょう。
- タオルドライをしっかりと:ドライヤー時間を短縮するため、まずはタオルで優しく水分を吸収します。ゴシゴシこすらず、タオルで髪を挟み込み、ポンポンと押さえるように拭き取るのがコツです。吸水性の高いタオルを使うとより効果的です。
- 熱から髪を守る下準備:ドライヤーの前に、洗い流さないトリートメントやヘアオイルなどを毛先中心になじませると、熱ダメージを軽減し、まとまりやすい髪になります。
- 根元から乾かす:ドライヤーは髪から15~20cm程度離し、まずは頭皮と髪の根元から乾かし始めます。根元が乾くと毛先も乾きやすくなり、全体の乾燥時間を短縮できます。
- ドライヤーを常に動かす:同じ場所に熱風が集中しないように、ドライヤーを小刻みに振りながら風を当てます。
- 温風と冷風を使い分ける:全体が8~9割程度乾いたら、冷風に切り替えます。冷風を当てることで、開いていたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出るとともに、熱によるダメージを防ぎます。オーバードライ(乾かしすぎ)も髪の乾燥を招くため注意が必要です。
ドライヤー選びも重要
最近のドライヤーは、様々な機能が搭載されています。
髪のダメージを抑えたい場合は、以下のような機能を持つドライヤーを選ぶのもおすすめです。
- 温度調節機能:髪質や状態に合わせて温度を調整できるもの。
- 速乾ノズル・大風量:風量で素早く乾かし、熱に当てる時間を短縮できるもの。
- マイナスイオン機能など:静電気を抑えたり、髪の潤いを保ったりする効果が期待できるもの。
まとめ:ドライヤーは正しく使えば味方になる
ドライヤーの熱は、使い方によっては髪を傷める原因になりますが、濡れた髪を放置するリスクを考えると、素早く乾かすために必要不可欠なアイテムです。
正しいタオルドライの方法、ドライヤーとの距離、動かし方、温風・冷風の使い分けなどをマスターすれば、熱ダメージを最小限に抑え、むしろ髪と頭皮の健康を守ることができます。
毎日のヘアドライを見直し、正しい方法を習慣づけて、健やかで美しい髪を目指しましょう。